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運輸安全委員会事故調査報告書【H29年8月31日公表】

投稿日時:2017-08-31 00:00:51 (1119ヒット)

【鉄道事故:2件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
○熊本電気鉄道株式会社
○踏切障害事故
○H28.10.16(日)22時10分ごろ
○熊本県熊本市
 菊池線 堀川駅~八景水谷駅間(単線)
八景水谷・堀川間8号踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし)
御代志駅発北熊本駅行きの上り第330列車の運転士は、堀川駅~八景水谷駅間を走行中、八景水谷・堀川間8号踏切道(第4種踏切道)に進入してきた自動車を認め、非常ブレーキを使用したが、列車は同自動車と衝突した。
この事故により、同自動車の運転者1名が死亡した。
本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道である八景水谷・堀川間8号踏切道に列車が接近している状況において、自動車が同踏切道内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
列車が接近している状況において、自動車運転者が自動車を踏切道内に進入させた理由については、列車見通しが悪かったことが関与した可能性があると考えられるが、自動車運転者が死亡したためその詳細を明らかにすることはできなかった。
再発防止策 本件踏切については、最近では隔年ごとに事故が発生していることから、踏切道の統廃合や規制(居住者とその関係者以外の自動車を進入させないような措置)、又は本件踏切の第1種化若しくは本件踏切が十分認識されるようにした上で、関係者で3.3(1)、(3)のような事柄が生じないよう交通方法等を検討し、実施することが望ましい。
また、必要な掲示を行うことなどが、端緒となる事柄の予防に資する可能性があると考えられる。

参考資料1(熊本電気鉄道・菊池線)

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
○東日本旅客鉄道株式会社
○踏切障害事故
○H28.11.2(水)10時12分ごろ
○長野県北安曇郡白馬村
○大糸線 信濃森上駅~白馬駅間(単線)
高見北踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし)
松本駅起点60k217m付近
南小谷駅発松本駅行きの上り普通第5326M列車の運転士は、信濃森上駅~白馬駅間を走行中、高見北踏切道(第4種踏切道)に進入してくる原動機付自転車を認め、直ちに非常ブレーキを使用したが、列車は同原動機付自転車と衝突した。
この事故により、同原動機付自転車の運転者が死亡した。
本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道である高見北踏切道に列車が接近している状況において、原動機付自転車が同踏切道内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと考えられる。
列車が同踏切道に接近している状況において、原動機付自転車が踏切道内に進入したことについては、原動機付自転車の運転者が踏切注意柵の位置より同踏切道に接近しなければ列車が繁茂する雑草によって見づらい状況であったことが関与した可能性があると考えられるが、原動機付自転車の運転者が死亡していることから、詳細を明らかにすることはできなかった。
再発防止策 踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道は、できるだけ早期に統廃合又は踏切保安設備を設置するべきものである。本件踏切に関しては、廃止又は踏切保安設備を設置するための協議を、地元自治体、鉄道事業者等の関係者間で協力して引き続き継続的に行うことが望ましい。 

参考資料2(JR東日本・大糸線)