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運輸安全委員会事故調査報告書【H23年2月25日公表】

投稿日時:2011-02-25 00:00:24 (1097ヒット)
番号 鉄道事業者、事故種類、発生日時・場所・列車 事故概要 原因
1 ○日本貨物鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H21.9.9(水) 12:03ごろ
○大阪府吹田市
東海道線 吹田信号場構内
○鹿児島線福岡貨物ターミナル駅発東北線宇都宮貨物ターミナル駅行き(機関車1両+コンテナ貨車24両編成)
本件列車は、東加古川駅を定刻に出発した。
同列車の運転士は、吹田信号場構内を速度約18km/hで力行運転中、着発5番線の出発信号機の停止現示を受け、ATSの警報音がしたためATSの確認扱い操作を行ったが、非常ブレーキが作動して同列車は停止した。
停止後、9両目の貨車の前台車全2軸が左側に脱線しているのが発見された。
なお、列車の運転士にけがはなかった。
本事故は、24両のコンテナ貨車を牽引した本件列車が、分岐器の分岐線側に進行中に非常ブレーキが作動したことにより、まだブレーキが作動していない後部貨車側からの大きな力を受けて、空車であった本件貨車の前台車が持ち上げられたため、クロッシング部を乗り越え基準線側に脱線したものと考えられる
 非常ブレーキが作動したのは、本件運転士が非常ブレーキの作動を防ぐための確認扱い操作を行ったにもかかわらず、運転士がブレーキ1ノッチに入れた状態と確認ボタンが押されている状態の重なっている時間がごく短時間であったことから、非常ブレーキの作動を停止させる回路のリレーの励磁時間もごく短くなったため、非常ブレーキの作動を止める回路が構成できなかったことによるものと考えられる。