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運輸安全委員会事故調査報告書【H27年7月30日公表】

投稿日時:2015-07-30 00:00:24 (1262ヒット)

【鉄道事故:2件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
○九州旅客鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H26.6.21(土)11時07分ごろ
○鹿児島県指宿市
指宿枕崎線 薩摩(さつま)今泉(いまいずみ)駅~生見(ぬくみ)駅間(単線)
鹿児島中央駅起点 37k250m付近
指宿駅発鹿児島中央駅行き特急列車(指宿のたまて箱2号、2両編成)が、速度約50km/hで運転中、約60m先に線路内を支障している木があるのを認め、非常ブレーキを使用したが、木及び土砂に乗り上げて1両目が脱線した。
この事故により、乗客16名(うち重傷者3名)及び客室乗務員2名が負傷した。
○ 本事故は、線路左側の切土斜面が崩壊したため、線路内に木及び土砂が流入し、列車が木に衝突するとともに木及び堆積した土砂に乗り上げて脱線したことにより発生したものと推定される。
○ 線路脇の切土斜面が崩壊したのは、
・崩壊した斜面の地形、地質の状況
・切土斜面における地山の経年劣化による力学的な緩みの進行
・時間雨量39mm(最大)、連続降雨量100mmの降雨により土の重量増加
再発防止策 (JR九州においていずれも措置済み)
○ 本件斜面に、のり面防護工を実施。
○ 運転規制及び規制解除の条件の見直し。
(連続降雨量100mm未満時における運転停止基準の時間雨量を40mmから30mmへ引下げ等)
2 ○東日本旅客鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H25.9.17(火)10時24分ごろ
○神奈川県相模原市
中央線 相模湖駅構内
東京駅発大月駅行きの列車が、相模湖駅停車のため減速していたところ、運転台モニター画面の警告表示等を認め、非常ブレーキを使用して列車を停止させた。
最後部の車両の前台車全2軸が脱線し、車体がホームと接触していた。
この事故による負傷者はなし。
○本件脱線事故は、
・車体の高さを調整する空気ばね調整装置の受け金具の不具合による、最後部車両前台車の左右の輪重の著しい不均衡
・現場が、脱線に対する余裕の小さい線形のカーブ区間であったことにより発生したものと考えられる。
○なお、受け金具の不具合は、本事故前に発生した鉄道人身障害事故が影響した可能性がある。
再発防止策 (JR東日本においていずれも措置済)
1) ソフト対策
・仕業検査における受け金具の重点的な確認の実施 等
(2) ハード対策
・せん断耐力のより高い受け金具取付ボルトへの交換
・脱線防止ガードの延長敷設  等

参考資料(JR九州・指宿枕崎線)

参考資料(JR東・中央線)