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運輸安全委員会事故調査報告書【H25年11月29日公表】

投稿日時:2013-11-29 00:00:50 (1117ヒット)

【鉄道重大インシデント:1件】

番号 事業者、インシデント種類、発生日時・場所 インシデント概要 原因
1 ○天竜浜名湖鉄道株式会社
○車両障害(鉄道事故等報告規則第4条第1項第8号の「車両の走行装置、ブレーキ装置、電気装置、連結装置、運転保安設備等に列車の運転の安全に支障を及ぼす故障、損傷、破壊等が生じた事態」に係る鉄道重大インシデント)
○H23.8.9(火)9:30ごろ
○天竜浜名湖(てんりゅうはまなこ)線 浜松大学前駅~都田(みやこだ)駅間(単線)
○掛川(かけがわ)駅起点37k800m付近
天竜浜名湖鉄道株式会社の天竜浜名湖線新所原(しんじょはら)駅発掛川駅行き1両編成の上り第122列車(ワンマン)は、平成23年8月9日、都田駅に停車するためのブレーキ扱い中、列車右側の前部旅客用乗降口のドアが開いたため、列車の運転士は直ちにブレーキハンドルを操作して列車を停止させた。停車後、確認したところ、当該ドアは全開しており、右側後部の旅客用乗降口からは、乗客が乗り込んで来ていた。その後、運転指令の指示で旅客用乗降口の鎖錠を行った状態で運転を継続し、天竜二俣(てんりゅうふたまた)駅で車両を交換した。
なお、列車には、乗客数十名が乗車していたが転落等による負傷者はいなかった。
本重大インシデントは、列車のドア開閉を行う電気回路の中に、走行中にドアが開くことを防止する機能を持つ戸閉保安回路を迂回する形で回路が増設されており、制御装置(PLC)の動作不良によって当該ドアの開閉を行うドア電磁弁へ電源が供給され、さらに電源線にある半導体リレーの不具合により出力が導通(オン)状態となって、ドア電磁弁に電流が流れてドアが開いたことにより発生したものと考えられる。
なお、制御装置(PLC)の動作不良に関しては振動等が関与した可能性が考えられるもののその原因を明らかにすることはできなかった。
また、半導体リレーに不具合が発生したことについても、その原因を明らかにすることはできなかった。