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運輸安全委員会事故調査報告書【H25年12月20日公表】

投稿日時:2013-12-20 00:00:45 (1118ヒット)

【鉄道事故:1件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原因
1 ○九州旅客鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H24.12.15(土)12:36ごろ
九州旅客鉄道株式会社の熊本駅発人吉駅行きの2両編成下り特急第1083D列車は、平成24年12月15日、 ワンマン運転で瀬戸石駅を定刻に通過した。列車の運転士は、列車が高田辺(こうだべ)トンネルを出て右カーブを抜けたところ で約30m前方の軌間内に大きな石があるのを認め、非常ブレーキを使用したが、列車はこの石に衝突し、停止した。その後運転士が確認したところ、2両目車両の前台車第2軸が左へ脱線していた。
列車には、乗客45名と乗務員等2名が乗車していたが、死傷者はいなかった。 
本事故は、本件列車が右側を山とする緩やかな右カーブを抜けてすぐの地点で、斜面から線路上に落下したと考えられる大きな石と衝突し、その後、車両床下にこの石を巻き込みながら推し進む過程で、2両目車両の前台車下部とこの石が衝突した際に、同台車の第2軸が左に脱線したものと考えられる。
   この石が斜面から落下したことについては、この石の周りにあった用地外の石積みが経年変化し、この間に所有者による適切な管理も行われなかったため、風化や劣化が進み崩壊に対して抵抗力の弱い状態になっており、毎年繰り返される梅雨時期等の風雨にさらされた結果崩壊したことによると考えられる。

【鉄道重大インシデント:1件】

番号 事業者、インシデント種類、発生日時・場所 インシデント概要 原因
1 ○東日本旅客鉄道株式会社
○工事違反(鉄道事故等報告規則第4条第1項第5号の「列車の運転を停止して行うべき工事又は保守の作業中に、列車が当該作業をしている区間を走行した事態」に係る鉄道重大インシデント)
○H24.7.13(金)23:13ごろ
○群馬県高崎市
高崎線 高崎駅構内
東日本旅客鉄道株式会社の高崎駅助役は、平成24年7月13日22時57分ごろ、線路閉鎖工事の責任者から同駅構内上下線で行われる工事について、着手承認の要請を受けたため、上越線上り第2074列車が線路閉鎖工事区間を進出したことを確認して同工事の着手を承認した。
一方、同駅発信越線横川駅行下り普通第167M列車は、定刻(23時12分30秒)に同駅6番線から出発し、工事着手の承認後の線路閉鎖工事区間に進入した。
本重大インシデントは、列車間合を使った線路閉鎖工事の計画からその承認の過程において、当該工事区間を列車が運行することが見落とされたため、工事着手承認後の同区間に列車が進入したことにより発生したものと考えられる。
工事区間を列車が運行することが見落とされたことについては、高崎保線技術センターにおける計画から申請承認の過程において、また、高崎駅における使用承認の過程において、今まで計画したことのない列車間合を使い、工事箇所が上越線の上り線として主に使用されている箇所であるという思い込みがあったため、上越線の列車の確認のみが行われ、信越線下りの列車の確認が行われなかったためと考えられる。