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運輸安全委員会事故調査報告書【H27年6月25日公表】

投稿日時:2015-06-25 00:00:50 (1090ヒット)

【鉄道事故:1件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
○東日本旅客鉄道株式会社
○列車脱線事故(踏切障害に伴うもの)
○H25.4.7(日)20時37分ごろ
○神奈川県茅ヶ崎市
○東海道線 茅ヶ崎(ちがさき)駅構内(複々線)
十間坂(じゅっけんざか)踏切道(第1種踏切道)東京駅起点59k405m付近
伊東線伊東駅発東海道線東京駅行き10両編成の上り普電第336M列車は、平塚駅を定刻より18分遅れて20時34分に出発した。
列車の運転士は、速度約103km/hで惰行運転中、十間坂踏切道の約200m手前で、同踏切道に支障物を認めたため、非常ブレーキを使用したが間に合わず、列車は踏切道内で停止していた支障物である軽乗用自動車と衝突し、同自動車を押したまま約270m走行して停止した。
列車は1両目の前台車全2軸が右へ脱線していた。
列車には乗客約300名及び乗務員4名(本務運転士、本務車掌、便乗運転士及び便乗車掌の各1名)が乗車しており、乗客1名が負傷した。
なお、同自動車には、同踏切進入時に運転者及び同乗者(2名)が乗車していたが、車外に出ていたため無事であった。
本事故は、落輪して踏切内に停車していた軽自動車と列車が衝突した後、列車が軽自動車を列車前面の連結器の下に巻き込むように線路上を押していき、軽自動車の一部が分岐器のガードレールに接触したことなどから列車が脱線したことにより発生したものと考えられる。
軽自動車が落輪したことについては、運転者が踏切を通行できると考えて進入させたものの、途中で自動車が通れないことを知って後退することになったが、踏切幅員が軽自動車と比べて狭隘で、かつ、日没後で暗く、さらに運転者も動揺していた可能性があると考えられる状況でハンドル操作を誤ったことによるものと考えられる。
運転者が踏切を通行できると考えて進入させたことについては、鉄道事業者がかつて自動車の通行禁止の交通規制の実効を確保するために設置した踏切進入側の杭と柵の間隔が軽自動車が通れるほど広く、自動車の通行禁止を示す道路標識等が交通規制が解除されたために無く、また、踏切進出側の杭の箇所を通れないと分からなかったためと考えられる。

参考資料(十間坂踏切)