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運輸安全委員会事故調査報告書【H26年1月31日公表】

投稿日時:2014-01-31 00:00:40 (1112ヒット)

【鉄道事故:1件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原因
1 ○三岐鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H24.11.8(木)9:39ごろ
○三重県いなべ市
○三岐線 三里駅構内
三岐(さんぎ)鉄道株式会社の近鉄連絡線近鉄富田(きんてつとみだ)駅発三岐線東藤原駅行き3両編成の下り普通第13列車は、平成24年11月8日、ワンマン運転で三里(みさと)駅に定刻(9時38分)に到着した。
列車の運転士は、同駅での上り列車との行き違いがないことから、下り出発信号機に進行信号が現示されていると思い、同信号機の信号現示を確認せずに旅客用扉を閉めた後、同信号機の停止信号の現示に気付かないまま、三里駅を定刻(9時39分)に出発した。
速度約45km/hで力行運転中、列車が左に振られると同時にATS(自動列車停止装置)の警報音が鳴ったので、直ちに非常ブレーキを操作したが、列車は安全側線に進入し、車止めを破壊して停止した。
列車は、1両目の前台車全2軸が車止めを乗り越えて脱線し、後台車全2軸は車止めの砂利に埋もれているレールの左へ脱線していた。
列車には乗客2名及び運転士1名が乗車していたが、死傷者はいなかった。
本事故は、下り列車の運転士が、三里駅において、上り列車との行き違いがないことから、下り出発信号機に通常どおり進行信号が現示されているものと思い込み、旅客用扉を閉める前に確認するべき下り出発信号機の信号現示の確認を怠り、また、出発前の指差唱呼もおろそかになったことにより、下り出発信号機の停止信号の現示に気付かないまま列車を出発させたため、ATSの非常ブレーキが動作したものの、列車は安全側線に進入し、車止めを突破して脱線したものと推定される。
なお、下り出発信号機に停止信号が現示されていたことについては、CTCセンターの運転指令者が、列車運行図表を見間違え、三里駅での列車の行き違いがあると思い、誤って同駅の交換制御押ボタンを操作していたことから、同駅下り出発信号機に停止信号が現示されていたものと推定される。