一般社団法人 日本鉄道電気技術協会

お知らせ

TOP > お知らせ > 運輸安全委員会事故調査報告書【H23年6月24日公表】

運輸安全委員会事故調査報告書【H23年6月24日公表】

投稿日時:2011-06-24 00:00:05 (1175ヒット)
番号 鉄道事業者、インシデント種類、発生日時・場所・列車 インシデント概要 原因
1 ○北海道旅客鉄道株式会社
○車両障害(鉄道事故等報告規則第4条第1項第8号の「車両の走行装置、ブレーキ装置、電気装置、連結装置、運転保安設備等に列車の運転の安全に支障を及ぼす故障、損傷、破壊等が生じた事態」に係る鉄道重大インシデント)
○H22.5.29(土) 8:27ごろ
○北海道札幌市 函館線 稲積公園(いなづみこうえん)駅~手稲(ていね)駅間(複線) 函館起点277k100m付近
JR北海道室蘭線苫小牧駅発函館線手稲駅行き6両編成の下り第2731M列車の運転士は、稲積公園駅を出発し、手稲駅手前の分岐器を通過中に運転席のモニタにドアの異常が表示されたり、手稲駅のプラットホームに近づいたときに運転士知らせ灯が滅灯していることに気付いたが、そのまま運転を続け、手稲駅の所定の位置に停止させた。停止した直後にプラットホームで列車を待っていた旅客から車掌に最後部車両の左側ドアが20cmくらい開いていたとの申告があった。
なお、列車には約30名の旅客が乗車していたが、ドアが開いていたことによる転落等は無かった。
 その後、列車はドアの鎖錠や部品交換などをして5月31日まで約2日間にわたり運転されていた。
本重大インシデントは本件列車が稲積公園駅を発車時にドアが完全には閉まらない状態でも戸閉めスイッチが閉検知状態となっていたことからそのまま発車できたために発生した可能性が考えられる。その後、走行中の振動等により同スイッチが開検知状態に変化したため、モニタ装置が異常を検知した可能性がある。
ドアが完全に閉まらなかったにもかかわらず、戸閉めスイッチが一時的に閉検知状態となったのは、同スイッチの押しボタンが固渋した可能性が考えられるが、固渋の原因は明らかにすることは出来なかった。