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運輸安全委員会事故調査報告書【H26年4月25日公表】

投稿日時:2014-04-25 00:00:01 (1096ヒット)

【鉄道事故:1件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
○東日本旅客鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H25.3.2(土)16時04分ごろ
○秋田県大仙市
○奥羽線神宮寺駅~刈和野駅間
福島駅起点255k824m付近
東日本旅客鉄道株式会社の東京駅発秋田駅行き6両編成の下り特急第3025M列車(こまち25号)は、平成25年3月2日、大曲駅を定刻(15時25分)より約28分遅れて出発した。
列車の運転士は、雪の影響で列車の速度が低下すること及び閉そく信号機に注意信号が現示されていたことから、カ行ノッチの入り切りを繰り返しながら列車を運転し、神宮寺駅~刈和野駅間の直線区間を速度約20km/hでカ行運転中、運転台右下から衝撃を伴う異音を感知したため、直ちに常用ブレーキ(常用最大)を使用して列車を停止させた。列車の停止後、車両点検をしたところ、1両目の前台車第1軸が進行方向左側に脱線していた。
その後の調査により、1両目の前台車第1軸は左へ約25㎜、第2軸は左へ約20㎜脱線していることを確認した。
列車には、乗客125名、乗務員3名及び車内販売員2名が乗車していたが、死傷者はいなかった。
本事故は、三線軌道区間の吹きだまりの発生しやすい要注意箇所において、特急列車が車両の下部に大量の雪を抱き込み車体が押し上げられた状態となったため、通常の加速が得られない状況でカ行運転中に、1両目の前台車第1軸の左車輪及び第2軸の左車輪が、それぞれ標準軌用レールに滑り上がるように乗り上げて左に脱線したものと考えられる。
本事故が発生した背景としては、事故現場付近が防雪柵などの風を遮る設備がない環境で、例年よりも多い積雪量及び事故当日の降雪並びに強風により、事故発生前の短時間で吹きだまりが大きくなったこと、かつ、三線軌道の標準軌用レール側は、狭軌用レール側より軌道から側雪までの間隔が近いため、雪が残りやすい状況であったことが影響したものと考えられる。なお、狭軌用レールと標準軌用レールの間の雪も影響した可能性があると考えられる。