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運輸安全委員会事故調査報告書【H30年3月29日公表】

投稿日時:2018-03-29 00:00:21 (1383ヒット)

【鉄道事故:2件】

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
1 ○西日本旅客鉄道株式会社
○踏切障害事故
○平成29年9月7日 14時30分ごろ
○広島県福山市
 福塩線 道上駅~万能倉駅間(単線)
岩崎の一踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし)
福山駅起点12k026m付近
福塩線福山駅発府中駅行きの下り普通第253M列車の運転士は、道上駅~万能倉駅間を走行中、岩崎の一踏切道(第4種踏切道)に進入してくる原動機付自転車を認め、気笛を吹鳴するとともに直ちに非常ブレーキを使用したが、列車は同原動機付自転車と衝突した。
この事故により、同原動機付自転車の運転者が死亡した。 
本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道である岩崎の一踏切道に列車が接近している状況において、原動機付自転車が同踏切道内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
 同原動機付自転車の運転者は、列車が接近している状況において、同踏切道の直前で一時停止することなく、列車が接近している状況を十分に確認しないまま同踏切道内に進入したものと考えられるが、その理由については、同原動機付自転車の運転者が死亡しているため明らかにすることはできなかった。
再発防止のために望まれる事項 踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道は、廃止又は踏切保安設備を整備すべきものである。道路管理者(同市)及び同社は、本事故が発生したことを踏まえ、本件踏切の廃止又は踏切保安設備の整備等の安全性向上策について協議を行い、地域住民等の理解・協力を得ながら、地域の交通安全計画等の趣旨に沿って具体的な取組を進めることが望ましい。
また、各種の啓発活動等により、踏切手前での確実な一時停止の励行等、踏切通行者の交通法規に対する理解や安全意識の向上を促すことも、踏切事故の防止に寄与するものと考えられる。

参考資料1(JR西日本・福塩線)

番号 事業者、事故種類、発生日時・場所 事故概要 原   因
2 ○九州旅客鉄道株式会社
○踏切障害事故
○平成29年9月18日 12時49分ごろ
○熊本県宇土市
○三角線 宇土駅~緑川駅間(単線)
江部踏切道(第3種踏切道:遮断機なし、警報機あり)
宇土駅起点0k690m付近
熊本駅発三角駅行きの下り停気第533D列車の運転士は、宇土駅~緑川駅間を走行中、江部踏切道(第3種踏切道)へ進入してきた自転車を認め、直ちに非常ブレーキを使用するとともに気笛吹鳴を行ったが、列車は同自転車と衝突した。
この事故により、同自転車の運転者が死亡した。
本事故は、踏切警報機は設けられているが踏切遮断機は設けられていない第3種踏切道である江部踏切道に、列車の接近により踏切警報機が動作している状況において、自転車に乗った運転者が同踏切道内へ進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
 列車の接近により踏切警報機が動作し、列車の接近を認知できる状況において、同運転者が同踏切道内へ進入した理由については、目的地へ向かう時間に余裕がなかったことが十分な安全確認が行われなかったことに関与した可能性があると考えられるが、同運転者が死亡していることから、詳細を明らかにすることはできなかった。
再発防止のために望まれる事項 本件踏切は踏切警報機を備えた第3種踏切道であるが、一層の安全性向上を図るために、同社及び同市は、本件踏切の廃止又は踏切遮断機の整備に関する協議において合意形成を進め、安全のための施策を実施していくことが望ましい。
また、各種の啓発活動等により、踏切直前での確実な一時停止の励行など、踏切通行者の交通法規に対する理解や安全意識の向上を促すことが踏切事故の防止に寄与するものと考えられる。

参考資料2(JR九州・三角線)