一般社団法人 日本鉄道電気技術協会

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運輸安全委員会調査報告一覧【平成23年9月30日(金)公表】

鉄道事故  
番号

事業者、事故種類、
発生日時・場所 

事故概要  原   因 
1 


○東京都交通局
○道路障害事故
○H22.5.21(金) 8:28ごろ
○東京都荒川区
荒川線 熊野前停留場〜宮ノ前停留場間(複線) 三ノ輪橋停留場起点3k300m付近




 


 東京都交通局荒川線の三ノ輪橋停留場発早稲田停留場行き1両編成の7031号車は、平成22年5月21日(金)、ワンマン運転で熊野前停留場を8時27分ごろに出発した。電車運転士は、惰行運転中に同方向進行中の普通貨物自動車が前方(前後左右は電車進行方向を基準とする。)の尾久消防署前交差点を右折途中で停止したのを認めたため、非常ブレーキを使用したが衝突した。
 7031号車には乗客約70名及び運転手1名が乗車していたが、そのうち乗客3名が負傷した。また、同自動車に乗車していた3名全員が負傷した。
 


 本事故は、本件電車が接近中の本件交差点において、本件トラックが右折しようとして軌道敷内に進入し、前部が軌道敷内に残った状態で停止したため、本件電車が非常ブレーキを掛けたものの止まりきれずにこれと衝突したことにより発生したものと推定される。
 本件トラックが軌道敷内に残った状態で停止したことについては、本件電車が減速しているように見え、停止するものと認識されたことによる可能性があるものと考えられる。
 


○水島臨海鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H22.6.19(土)18:44 ごろ
○岡山県倉敷市
港東線 東水島駅構内




 


 水島臨海鉄道株式会社の東水島駅発西岡山駅行き13両編成(機関車1両及び貨車12両)の上り第5080列車は平成22年6月19日(土)東水島駅を18時44分に出発した。
 東水島駅の助役は、列車出発直後に異音に気づくとともに、9両目(車両は前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)の貨車が動揺しながら走行していることを認めたため運転指令に報告し、運転指令からの無線連絡により運転士は列車を停止させた。列車の停止位置においては脱線は認められなかったが、車両及び軌道を確認したところ、9両目の後台車の車輪及び東水島駅構内の軌道それぞれに、脱線したと認められる痕跡があった。
 列車には、運転士及び操車係が乗務していたが、死傷者はなかった。
 


 本事故は、本件列車が出発する前に、本件貨車後台車第1軸の左車輪フランジ先端が左レール頭頂面に載った状態になり、同台車が左斜めに向いた状態となっていたため、本件列車の出発直後に同台車が左斜め方向に進行し、同軸が左側へ脱線したことにより発生したものと考えられる。
 本件貨車後台車第1軸の左車輪のフランジ先端が左レール頭頂面に載った状態になっていたのは、本件列車の前に行われた荷役作業において、本件貨車の同台車に近い位置のコンテナを取り卸す際に、緊締装置が施錠された状態になっていたため、コンテナと一緒に本件貨車の車体が持ち上げられ、同台車を介して同軸も持ち上げられた可能性があると考えられる。
 緊締装置が施錠された状態になっていたのは、一旦解錠されたにもかかわらず、荷役作業中の振動などにより施錠された状態に戻ったことによる可能性があると考えられる。
 

鉄道重大インシデント 
番号

事業者、インシデント種類、
発生日時・場所 

重大インシデント概要  原   因 
1 


○長崎電気軌道株式会社
○保安方式違反
○H22.10.21(木)14:15ごろ
○長崎県長崎市
 大浦支線 大浦海岸通り停留場〜大浦天主堂下停留場間(単線) 入江町起点0k644m付近




 


 長崎電気軌道株式会社の蛍茶屋停留場発石橋停留場行き1両編成の第1505号車担当運転士は、平成22年10月21日(木)14時15分ごろ、単線区間の大浦海岸通り停留場〜石橋停留場間において通票式を施行中、単線区間から第503号車が進出したのを確認後、大浦海岸通り停留場を出発した。松ヶ枝橋交差点の石橋行き停止線で停車したところ、石橋停留場発蛍茶屋停留場行き1両編成の第1203号車が、松ヶ枝橋交差点の第1停止線に停車するのを認めた。このときの第1505号車と第1203号車との間隔は約46mであった。
 その後、通票式施行のため大浦海岸通り停留場に派遣されていた係員の指示により、第1203号車は石橋停留場に引き返し、続いて第1505号車も石橋停留場まで運転を継続した。
 


 本重大インシデントは、通票式を施行中の単線区間において、第1203号車が存在しているにもかかわらず、第1505号車が単線区間に進入したことにより発生したものと推定される。
 第1505号車が単線区間に進入したことについては、担当運転士が出発前の通票確認を行わなかったこと及び単線区間に入っている車両数を誤り、車両が在線しなくなったと判断したことによるものと考えられる。なお、担当運転士が通票を確認しなかったことについては、通票式を施行するために派遣されていた係員が、担当運転士の通票確認前に続行標を渡したことが関与したと考えられる。
 また、重大インシデントの発生には、現場で作業基準どおりの取扱いがされていなかったにもかかわらず長年放置されていたこと及び関係社員の運転に関する知識や現場での作業を同社が適正に管理していなかったことが関与していると考えられる。これらの根底には、同社の安全管理体制構築への取組みが不十分なこと及び現場において、ともすれば、自ら積極的に知識・技能を習得し自分が輸送の安全を確保するという意欲が低下していたことが関与している可能性があると考えられる。
 ※勧告・所見あり
 


○西日本鉄道株式会社
○工事違反
○H22.6.17(木) 0:43ごろ
○福岡県大牟田市
 天神大牟田線 西鉄渡瀬駅〜西鉄銀水駅間(複線) 西鉄福岡(天神)駅起点69k470m付近




 


 西日本鉄道株式会社の運転指令員(線路閉鎖担当)は、平成22年6月17日(木)0時28分ごろ、線路閉鎖工事の作業責任者から要請を受けて、西鉄渡瀬駅〜西鉄銀水駅間の線路閉鎖工事の着手を承認した。
 一方、甘木駅発大牟田駅行き2両編成ワンマン運転の下り普通第7623列車は、中島信号場で発生した輸送障害のため、西鉄渡瀬駅を定刻(0時15分)より約26分遅れて出発し、同線路閉鎖工事に着手後の、作業員のいた作業現場を走行した。
 
 


 本重大インシデントは、運転指令において、列車の運行状況が十分確認されず、また運転指令員相互による二重チェックが行われないまま、列車の運転を停止して行う工事の着手が誤って承認されたため、近隣の信号場での輸送障害で遅延していた本件列車が作業員のいた工事区間を走行したことにより発生したものと推定される。
 本件工事の着手が誤って承認されたのは、終列車の運行時間帯に線路閉鎖工事の着手承認手続きが途切れなく行われている中で、上記の輸送障害への対応が重なり、線路閉鎖担当の運転指令員の注意が本件工事の着手承認手続きに向いていなかったことが関与したものと考えられる。また、本件列車が工事区間を走行したのは、同社が、工事区間に列車等を進入させないための措置が不完全で、適切さを欠いていたことに気付かずに、従前の取扱いが踏襲されてきたことが関与したものと考えられる
 


 

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