一般社団法人 日本鉄道電気技術協会

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トップ  >  事故調査報告書20170427

運輸安全委員会調査報告一覧【平成29年4月27日(木)公表】

【鉄道事故:4件】
番号

事業者、事故種類、
発生日時・場所 

事故概要  原   因 
1 


○東日本旅客鉄道株式会社
○列車脱線事故
○H27.12.11(金)19時30分ごろ
○岩手県宮古市
 山田線 平津戸駅〜松草駅間(単線)
盛岡駅起点47k512m付近
 


 宮古駅発盛岡駅行き1両編成の上り普通第645D列車は、平津戸駅を定刻(19時24分)に出発した。列車の運転士は、平津戸〜松草駅間を速度約55km/hで走行中、前方の線路上に倒木を発見したため、直ちにブレーキを使用したが列車は線路上に流入していた倒木や土砂等に衝突し、これらに乗り上げて停止した。
 その後の調査の結果、列車は全4軸が脱線し、車体は右側に傾いていた。また、停止した列車の左側の斜面は崩壊し、線路上に土砂等が流入していた。
 列車には、乗客22名及び乗務員2名(運転士及び車掌)が乗車しており、そのうち、乗客15名及び運転士が負傷した。
 
 
 


 本事故は、斜面が崩壊したことによって線路内へ流入した倒木や土砂等に、列車が衝突し乗り上げたため、脱線したことにより発生したものと推定される。
 斜面が崩壊したことについては、急な斜面であること及び風化により斜面表層部が不安定化していたところに、降雨や融雪などにより斜面表層の重量が増加したことによる可能性があると考えられる。
 
 
 
 
 

再発防止策
     本事故は、本件斜面が崩壊したことによって発生したものと考えられるが、定期検査や運転規制等により本件斜面が崩壊することを事前に予測して、事故の未然防止に努めることは困難であったものと考えられる。

     そのため、同種の事故を防止するためには、本件斜面の不安定な土砂の除去、及び斜面崩壊を防止するための斜面防護工等を施工することが望ましい。
     また、露岩抜出し事象が今回発生した斜面崩壊の予兆現象であった可能性があるため、切土露岩の一部抜出しが確認された箇所では、その後に大規模な斜面崩壊が発生するおそれがあることから、警備・巡回等を行うなど発生箇所周辺に注意を払うことが望ましい。
     さらに、斜面の地形や風化の状況、斜面で発生している亀裂やはらみなどを的確に把握するよう努め、その状況に応じて必要により警備区間や落石検知装置の設置箇所の見直しなどを行うことが望ましい。
     
参考資料1(JR東日本・山田線)

 
 

 

番号

事業者、事故種類、
発生日時・場所 

事故概要  原   因 


○四国旅客鉄道株式会社
○踏切障害事故
○H28.7.7(木)10時28分ごろ
○愛媛県伊予市
○予讃線 伊予横田駅〜鳥ノ木駅間(単線)
宮地踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし)
高松駅起点203k363m付近


 


 予讃線松山駅発宇和島駅行きの下り特急第1059D列車の運転士は、伊予横田駅〜鳥ノ木駅間を走行中、宮地踏切道(第4種踏切道)に進入してきた歩行者を認め、非常ブレーキを使用したが、列車は同歩行者と衝突した。
 この事故により、同歩行者が死亡した。
 
 
 
 


 本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道である宮地踏切道に列車が接近している状況において、歩行者が同踏切内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
 歩行者が踏切道内に進入したことについては、脳の機能低下の影響により適切な判断ができなかった可能性が考えられるが、歩行者が死亡しているため詳細を明らかにすることができなかった。
 
 

再発防止のために望まれる事項
 
     
     本件踏切は第4種踏切道であるが、本件列車は速度約120km/hという高速で接近しており、本件踏切から見通すことができる位置から短時間で到達する状況であった。このことから、本事故を踏まえ、列車が接近していることを踏切通行者に知らせるとともに、誤って本件踏切内に進入することを防止するために踏切保安設備の設置、又は本件踏切の廃止により安全性の確保を図ることが望まれる。
     
     
参考資料2(JR四国・予算線)

 
 

 

番号

事業者、事故種類、
発生日時・場所 

事故概要  原   因 


○関東鉄道株式会社
○踏切障害事故
○平成28.9.12(月)17時17分ごろ
○茨城県筑西市
常総線 黒子駅〜大田郷駅間(単線)
井ノ上1踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし)
取手駅起点44k950m付近


 


 常総線守谷駅発下館駅行きの下り普通第5129列車の運転士は、黒子駅〜大田郷駅間を走行中、井ノ上1踏切道(第4種踏切道)に自転車に乗って進入してきた通行者を認め、直ちに気笛を吹鳴するとともに非常ブレーキを使用したが、列車は同通行者と衝突した。
 この事故により、同通行者が死亡した。
 
 
 
 


 本事故は、列車が第4種踏切道である第2本屋敷踏切道に接近している状況において、軽自動車が同踏切道内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
 本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道である井ノ上1踏切道に、列車が接近している状況において、自転車に乗った通行者が同踏切道内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
 列車の接近している状況において、同通行者が同踏切道内に進入したことについては、クロスマークの支柱付近まで近づかなければ、雑木により接近する列車を見通すことができない状況が関与した可能性があると考えられるが、通行者が死亡しているため、その詳細を明らかにすることはできなかった。
 
 
 

再発防止のために望まれる事項
 
     
     踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道においては、列車の接近は道路通行者自身が確認しないと分からず、その安全確保は道路通行者によるところが大きいため、廃止若しくは踏切保安設備を設置するべきものである。そのために、本件踏切に限らず他の第4種踏切道も含め、過去の事故の発生や自動車の通行の禁止などにとらわれず、廃止若しくは踏切保安設備を設置するための協議を、鉄道事業者、沿線自治体、地域住民等関係者間で協力して継続的に行われることが望ましい。
     また、第4種踏切道の設置数は、第1種踏切道への格上、統廃合、廃止により減少しているものの、なお存続している現実を考えると、踏切道の手前で一旦停止して、かつ、左右を見て安全を確認することを、道路通行者に啓発していくことが重要である。特に若年層に対しては、引き続き継続的に、家庭及び学校教育の場等で、第4種踏切道も含めた踏切の通行の仕方や注意点を指導していくことが望ましい。
     さらに、道路通行者が安全を確認するためには、列車の接近の有無を目視できる環境であることが重要であることから、道路通行者が踏切道入口付近において、安全を確認してから、踏切道を渡り終えるのに十分な時間がとれるような見通しを、関係者間で協力し、適切な方法で確保し、それを維持することが望ましい。
参考資料3(関東鉄道・常総線)

 
 

 

番号

事業者、事故種類、
発生日時・場所 

事故概要  原   因 


○東日本旅客鉄道株式会社
○踏切障害事故
○H28.9.27(火)12時46分ごろ
○千葉県南房総市
内房線 南三原駅〜千歳駅間(単線)
仲原踏切道(第4種踏切道:遮断機及び警報機なし)
蘇我駅起点98k960m付近


 


 安房鴨川駅発館山駅行きの上り普通第2180M列車の運転士は、南三原駅〜千歳駅間を走行中、仲原踏切道(第4種踏切道)に進入してきた原動機付自転車を認め、直ちに気笛を吹鳴するとともに非常ブレーキを使用したが、列車は同原動機付自転車と衝突した。
 この事故により、同原動機付自転車の運転者が死亡した。
 
 
 
 


 本事故は、踏切遮断機及び踏切警報機が設けられていない第4種踏切道である仲原踏切道に列車が接近している状況において、原動機付自転車が同踏切道内に進入したため、列車と衝突したことにより発生したものと推定される。
 列車が接近している状況において、同原動機付自転車が同踏切道内へ進入したことについては、住宅、生け垣及び繁茂した雑草によって線路内の見通しが制限されていたことが関与した可能性があると考えられるが、同原動機付自転車の運転者が死亡しているため詳細を明らかにすることはできなかった。
 
 
 
 

再発防止のために望まれる事項
 
     
     第4種踏切道は、通行者の十分な左右安全確認を前提にその安全が担保されているが、本件踏切においては、通過列車の速度が約95km/hと高いことを考慮し、同社と同市は協力して第4種踏切道の統廃合に向けた協議を継続的に行うことが必要である。
     なお、踏切道の統廃合あるいは踏切保安設備の整備が済むまでの間は、本件踏切に対し、次の対策を講じることが望まれる。
     (1) 本件踏切に対し、周囲の除草などを適切に行い、通行者に対して最大可能な見通しを確保すること。
     (2) 本件踏切を使用する通行者が列車の接近に気付くことができるように、同社は適切な位置で気笛を吹鳴する対策を検討すること。
参考資料4(JR東日本・内房線)

 
 

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